草マルチとは?メリットとやり方のまとめ
草マルチとは?メリットとやり方のまとめ
今回は、草マルチの効果やメリット、
具体的なやり方について解説します。
【草マルチって何?】
そもそも、草マルチとは何でしょう?
まず、マルチというのはマルチング(畑の表面を紙やプラスチックフィルムなどの資材で覆うこと)の略です。
代表的な素材は、黒いプラスチックフィルムのマルチです。
草マルチは、この素材が雑草や作物残さに置き換わったものです。
それぞれのマルチの特性を見ていきましょう。
【マルチの目的、メリット】
一般的なポリマルチの効果としては
①地温調整
地温を高めるので、寒い時期も作物が育ちやすくなります。
②雑草抑制
黒マルチは光を通さないため、穴が空いているところ以外の雑草が生えるのを抑えられます。
③土壌の跳ね返りを防ぐ
作物に泥が跳ね返るのを防ぎ、綺麗な状態を保てます。
主にこんな感じです。
畝の除草の手間が省け、綺麗な作物を収穫しやすくなるので、多くの農家さんが使用しています。
また、どこに野菜があるのか分かりやすい、というのも利点です。
【草マルチの効果】
草マルチは、プラスチックフィルムを使用しないぶん
地温を高める効果は劣りますが
黒マルチにはないメリットもいくつかあります。
①雑草の根の勢いを抑える
雑草を刈り敷くことで、光を遮断するのに加え、草が分解される過程で出る有機酸などが、雑草の発芽や生育を抑えてくれます。
②表層の根や土を守る
暑い時は、暑さや土の乾燥を防ぎ
保水し、根を守る効果があります。
寒い時は、霜焼けや土の飛散を防いでくれます。
一般資材のマルチ同様、土の流失や泥の跳ね上がりを防ぎます。
③微生物が多様に住む土を作る
草マルチはミミズなどの虫、土着菌などの微生物のエサになります。
分解されることで野菜の養分となるので、まさに自然の堆肥です。
団粒構造の材料にもなります。
④病原菌や害虫を抑える
草マルチの中でさまざまな生き物が増えて、病気や害虫の発生を防いでくれます。
また、連作障害回避にもつながります。
ポリマルチは土に還らないため、いずれゴミになってしまいますが、
草マルチは分解され、土壌微生物を増やし
野菜の養分にもなる
なんともエコで一石三鳥な資材ですね^^
【草マルチの効果的なやり方】
では、実際に草マルチに挑戦してみましょう!
効果を高めるためのポイントがいくつかあります。
①まき床や苗の根鉢の周囲は
草の根を切り、草を生やさないようにする
②野菜の一番長い葉の先端5〜10cm外側の下までのエリアは、
草を短く刈って厚くマルチにする
③それ以上外側のエリアの草は
野菜より大きくなる前に
株元5〜10cm残して高刈りし
野菜の葉先下までのエリアに重ねていく
野菜の株元に近いエリアほど草の根を残さず取り、遠くになるに従い草を高刈りしていくイメージです。
定植後1〜2ヶ月間は、野菜より草が大きくなる前に
こまめに刈り敷く必要がありますが
野菜の根が十分に張る頃には
野菜の周りには草は生えなくなります。
こうして、野菜の根はどんどん広がって強くなっていきます。
なお、注意点として
トマト、ナス、ピーマン、オクラ、スイカ、
メロンなどの高温を好む野菜には
定植後1ヶ月間は草マルチをしません。
土が出ている方が地熱が上がりやすく、乾燥して根が張りやすいからです。